むし歯治療
むし歯治療
痛くないからとむし歯を放っておくと、どんどん進行して歯質が破壊されてしまいます。むし歯が進行すると、どれだけブラッシングをしても元の健康な歯に戻れなくなるため、その段階になる前に進行を止めることが大切です。
むし歯になる原因
食事をすると、お口の中は酸性に傾きます。すると、歯からカルシウムなどのミネラル成分が少しずつ溶け出します。通常は、酸性が唾液で中和されるので、溶け出したミネラル成分は再び歯の中に戻されて(再石灰化)、すぐにむし歯になることはありません。
しかし、いくつかの要因が重なると、歯の再石灰化が間に合わなくなるためむし歯になってしまいます。
●プラーク(歯垢)
プラークはむし歯の元になる細菌の温床です。ブラッシングで磨き残しが多いとプラークが増え、むし歯になるリスクが高くなります。
●糖分
むし歯菌は糖分を栄養にして繁殖します。お口の中に糖分が長い間留まると、酸性に傾きやすくなります。
●時間
お口の中が酸性の状態で長い時間経過すると、歯の再石灰化が間に合わなくなり、むし歯になりやすくなります。
●歯質
歯質が弱いと酸への抵抗力が弱く、むし歯になりやすくなります。
むし歯の進行と治療法
Co(ごく初期のむし歯)
痛くないからとむし歯を放っておくと、どんどん進行して歯質が破壊されてしまいます。むし歯が進行すると、どれだけブラッシングをしても元の健康な歯に戻れなくなるため、その段階になる前に進行を止めることが大切です。
C1(エナメル質う蝕)
歯の表面を覆っているエナメル質が溶けて小さな穴が開いた状態です。この段階では痛みを感じることはありませんが、むし歯の進行が早くなるので治療が必要です。治療は保険適用内の白い詰め物をして完了します。放置しているとどんどんむし歯が進行するので、定期検診による早期発見と、異変に気づいたらすぐ受診することをお勧めします。
C2(象牙質う蝕)
エナメル質が溶けてしまい、下層にある象牙質までむし歯が達している状態です。象牙質が露出するために、冷たい飲み物や甘い物がしみることがあります。治療をするときは麻酔が必要です。まだむし歯が小さな場合は、保険適用内の白い詰め物をします。しかし、表面的に小さく見えても内部で大きく広がっている場合は、むし歯を取り除いて型取りをして詰め物を入れます。詰め物の種類は、保険適用内であれば金銀パラジウム合金などになります。
C3(神経まで達したう蝕)
むし歯が神経まで達している状態です。激しい痛みがあります。神経が壊死してしまうと、根の外で炎症を起こして膿が出たり、歯ぐきが大きく腫れます。治療は、麻酔をして神経を取り除き、根の中をきれいにする根管治療を行います。
C4(残根状態)
歯が崩壊してほとんど残っておらず、根だけが残っている状態です。治療可能な歯質が残っている場合は根管治療をして被せ物をします。症状によっては抜歯しなければならないことがあります。
ゴールドインレー治療
歯の修復材として、ゴールドは最高の素材です。昭和20年代の歯科教育では、むし歯の修復治療に金箔充填が行われていたといいます。金は、
- 鋳造精度がよいので歯に対する適合性が良い
- 伸びるので歯との境界部分を擦り合わせて段差を極小にできる
- 適度な柔らかさがあるので歯と同程度に摩耗し変化する
等の理由から適しています。見た目を気にしない、あるいは多少外から見えても良い場合は、修復材料に金をお勧めします。
マイクロスコープを用いたむし歯治療
マイクロスコープはむし歯の患部を拡大して見ることができる機器です。拡大鏡よりもさらに高倍率(肉眼の約10倍以上)で確認ができます。
肉眼では見えない患部を拡大した状態で見られるので、むし歯になった悪い所のみをしっかり削り取ることが可能になり、体の負担を減らせるようになりました。
目では確認できないような歯石や歯の表面の傷を把握でき、状況に応じた治療を行うことでむし歯の再発を防げます。当院では、歯の予防も効果が期待できるこのマイクロスコープを必要な時に使用しております。なお、治療費の負担をいただくことはありません。